001. 5月の旅

今年の2月から、毎月地方の小さなライブハウスでの演奏活動を精力的にこなしている貞夫さんだが、5月のツアーで21都市25公演を終了したところである。

都市計画のため4年前に取り壊された富山のジャズワークショップも、昨年夫婦で作り上げたお店を再びオープンし、今回は「開店1周年記念ライヴ」として4年ぶりの出演となった。

富山への出発日、朝の羽田空港は大混乱状態・・・。

航空会社のパソコン上のトラブルで欠航便が続出する中、運よく富山行きの便は飛んだものの予定より4時間遅れで到着。

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1972年、初めて貞夫さんがこちらで演奏した際のバンドメンバーと

お店のオーナーの榊原さん(通称:ポールさん)と貞夫さんは1972年以来のお付き合い。

二人の絆はアフリカで強く結ばれている。

ポールさんは初めてアフリカへ旅をして以来、その魅力にとりつかれたように毎年訪れる事となる。

ときには地元の大学生を引き連れて行く、というより故郷へ帰るような気分なのかもしれない。

何かアフリカへ還元したいという気持から、現地では学校を創る手助けなども行なっている。

70人も入れば一杯になってしまう店内にはアフリカの写真や絵が飾られ、ステージと観客席の境目が無いような状態の中での一体感。

聴衆との触れ合い、人と人のつながりを大事にする貞夫さんにとって、ここも大切な場所のひとつ。

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アフリカ仲間ポールさんと

翌日は金沢へ移動。

会場となる「パフォーミング スクエア」は「金沢市民芸術村」にある施設のひとつ。

紡績工場の跡地に建てられたこの施設は、「ドラマ工房」「ミュージック工房」「アート工房」などから成る演劇や音楽を学ぶための創造空間として、市民によって運営されている。

365日24時間、いつでも、誰でも、自由に使用できる緑に囲まれたこの芸術村は、全国でもモデル・ケースとなるに違いない。

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「金沢市民芸術村」の雰囲気は貞夫さんもお気に入り

今年も関西学院大学のホールで、お馴染みの顔ぶれに会える事が嬉しい。阪神淡路大震災で被害に遭われた方々への追悼曲として、兵庫県から依頼を受けて作曲した“ I’m with You ”。

地震が発生した翌年の同日時に「レイ・ブラウン・トリオ」と神戸で演奏して以来、関西地区の公演では必ず演奏している。


ツアーの最後は、今年8月に23回目を迎える「中・高生ビッグバンドフェスティバル」にゲスト出演するため神戸へ入り、学生達と1回目の練習を行った。

1998年から3年間、関西地区で指導に当たったイベント「Jazz for Kids」のOB達の参加もあり、貞夫さんも楽しみにしている様子。

今ではプロのミュージシャンとして活躍している人もおり、成長した彼らとの共演が期待される。

このフェスティバルは8月18日~19日に神戸市文化会館で開催。詳細は、追ってホームページのライヴ・インフォでお知らせ致します。

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学生達との練習